鹿児島市内(市電)
鹿児島市役所で、市電の新しい車両「ユートラムⅡ」についてお話をお伺いし、試乗してきました。市内を走る市電の車両は3種類あって、旧タイプのもの、1000型ユートラム(H13年に導入)、ユートラムⅡとなっています。旧タイプの車両は、段差があり(車輪の分、床が高い)ましたが、ユートラムで低床車両に、更に最新のユートラムⅡは、車両数を増やして低床化による定員数の減を補うものとなっていて、乗り心地もよくなっているそうです。
写真左がユートラムⅡ、右が旧タイプの車両です。個人的には、レトロな旧車両が情緒が合って好きですが、バリアフリーだけデザインを変えることはできないんでしょうね。線路を緑化する計画が進められていて(写真右)、街の景観にも効果は大ですね。市電の会計は、H18年度1億7700万円の黒字を出しています。ものすご~く細かく駅があって、市内の移動にはとても便利ですから、本当に足として利用されているようですね。市電を廃止した町と残した町、今、国をあげてLRT(Light Rail Transit 路面電車のシステムを超低床に更新したものというとわかりやすいのですが、路面電車との違いを強調するなど、いろいろな定義があるようです。)の導入が進められていますが、残した町はレールに市民権がありますから、敷設コストだけではなくて、スムーズに移行できるでしょうね。
あとで、ひとりで市電に乗った私、帰りに反対方向に乗ってしまいました。(よくやるんです、こういうこと)”ありゃあ”とあわてて運転手さんに聞いたら、次にどうすればいいかまで、とっても親切に教えていただきました。このできごとだけで、”鹿児島の町はいい町だあ”とつくづく感じて帰ってくることができました。(鹿児島の運転手さん、ありがとうございました。)
これは余談ですが、街の人の話では、かつて桜島の火山灰に苦しんだけれど、ここ10年は灰が降らず、本当に暮らしやすくなったとのこと。洗濯物の始末から、深刻な農作物の被害など、火山灰の被害は住んでみないとわからない大変なもの。札幌で除雪の予算が組まれているように、ここでは桜島爆発対策という委員会も存在します。


敬老パスについて(川崎市・名古屋市)
前日の38℃の暑さから雨も少し降って気温が少し下がり、移動しやすくなった23日、川崎市・名古屋市と敬老パスの調査に行ってきました。神戸市の敬老パスは、現在、大学の先生等の有識者と、老人クラブや婦人会、自治会といった市民の代表者、市側の各委員で構成される懇話会で、制度維持のための検討が行われてきているところです。
川崎市・・・制度維持のために市民負担を求めるにあたって、応能か応益かを検討し、所得によって負担に差がある横浜市のような応能負担をとらず、利用した人が負担する応益負担の制度を選んだ。敬老乗車証を提示すると半額負担の100円で乗車できる制度に、更に、年間¥12000(1ヶ月¥1000等もあり)でフリーパスを購入することで、何度でも乗車できる制度もあり、よく利用する人はフリーパスを買って利用している。対象は70歳以上。市内を走る市営バス(42.5%)、民間バス(57.5%)どちらも利用できる。制度導入前の補助金等の予算規模は年間26億円だったが、導入によって13億円に。乗車証明書の発行は14.1万枚で、このうちフリーパスは3.3万枚。乗車人数調査に基づいた補助金を支払っている。ただし、月平均10回くらいと見込んでいたフリーパスの利用率は、平均35回くらいとなっており、負担を見直してほしいというバス事業者からの声も上がっている。
名古屋市・・・H16年9月から一部負担金制度を導入。介護保険の保険料に合わせて3段階(年間¥1000、¥3000、¥5000)の負担。(このうち、¥3000は税制改正に伴う急激な負担増の対象者への2年間の経過措置のため、実質2段階)市バス・市営地下鉄で利用できる。65歳以上で利用でき、約30万人が対象者。一部負担金を含めた予算規模は年間123億円で、うち113億円が一般会計からの拠出。市バスには65億円。乗車証は検札システムの導入によって、すべて実態把握が可能となっており、利用された分すべての利用料を市バス・地下鉄の事業主に支払っている。
ここで、神戸市の現状を少し書いておきます。対象は70歳以上で、市バス・民間バス・地下鉄・新交通のどれにも乗車可能です。一部負担金は、高所得者(大体収入で500数十万円以上)の方のみ、年額3万円を負担していただいています。H17年度の総発行枚数は約16万枚ですが、この層の方はは全体の1%に満たないため、ほとんどの方は負担なしで利用できる制度になっています。市バス・民間バス・地下鉄等への負担金は約35億円。10年間で1.5倍に増えた利用者に比べ、負担金の額は上がっておらず、民間バスの事業者からも維持できないと言う声が上がってきています。(ちなみに地下鉄への負担額はごく少なく、ほとんど助成されていません。)また、利用者は10年後に20万人が予想されることから、制度維持のための検討会が持たれた次第です。この制度は高齢者の皆さんに気軽に外出してもらえるよう作られた非常に価値ある制度、どうすれば負担を最小限に維持できるかが検討されています。(一部廃止の検討をしているような報道もありましたが、廃止の検討は全く行われていません。)
神戸市と財政事情の異なる名古屋市の例はあまり直接的には参考にできない(視察を受けてくださった名古屋市さん、ごめんなさい。こんなに格差があるとは思いませんでした。)と思いますが、フリーパスを残した川崎の方式は参考にできるのではないかと思います。(ただし、既にフリーパスでも見込み違いがあったということで、助成の増額が要望されている点が気になりますが。)
以上、4箇所を巡る視察報告終了です。