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イギリスその1 バーミンガム・ソリハル精神保健研究所

デンマークでFALCK福祉機器センターを訪問後、イギリス・ロンドンに渡りました。次の日、イギリスの1か所目は、ロンドンから200kmくらい離れたバーミンガムにある、NHS(日本の厚労省のようなもの)の機関である、バーミンガム・ソリハル精神保健研究所。ここで、実施されているMERIDEN・Family Programme(メリデン・ファミリー・プログラム)と呼ばれる、精神障がい者の治療プログラムは、本人だけでなく家族も含めて支援・治療につなげるもので、日本の精神障がい者家族会の皆さんが研究し、日本での導入を進めるプロジェクトを展開されています。


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朝は8時くらいでも、夜が明けていません。
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ずっと牧場風景が続きます。
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途中のサービスエリアで。
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バーミンガムの素敵な街並みです。

200kmの距離ということで、朝早くから車で移動、いろいろとお話を伺ってから、研究所内で簡単なランチ、そのあと、更に質疑も行って、再びドライブしてロンドンに戻る行程でした。
イギリスは、ロンドンを少し離れると、どこまでも牧場風景が続きます。

内容は、レポートファイルを参照していただきたいですが、今度、ここに写っている先生方が、精神障がい者家族会「みんなねっと」さんのセミナーのために、来日されます。京都と東京で開かれます。
(詳細は”みんなねっと”で検索してください。)

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メリデン・ファミリー・プログラムの研修が、各地で広がっています。
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例えば家族が統合失調症を発症したりすると、そのあと、患者さん本人や家族が抱える問題というのは、欧米でも日本でも感じ方がほとんど変わらないんだな、と思いました。イギリスでは、ブレアさんが介護をする母の姿をみて、介護をする人のことを支援していく法律、ケアラーズ法を作ったことが、大変大きいということです。それから、福祉のためだけでなく、エビデンス、結果を検証して、例えば、家族に研修してもらい、一緒に治療に協力してもらうことで、病気の再発率が格段に下がり、入院などに至る期間が長くなることを、そうでない場合と数値で比較をすることで、しっかり検証しています。
 トータルで考えると、医療費や、仕事に復帰できるメリット、介護の費用の削減など、社会的にみた効果が非常に高いことに着目すべきと思います。また、うつや摂食障害ではどうですか?と質問をしたら、そういう研究も行っていて、効果が出ているとのこと。注目したいと思います。

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帰りのドライブで、何とか車中から羊をカメラに収めようと四苦八苦。

デンマークその3 福祉器具(補助器具)センター

デンマークの最後は、北欧の福祉の特徴でもある、福祉器具センターを訪問しました。
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介護ロボットの研究をされている神戸大学の先生から、以前より「北欧には、体育館みたいな施設の介護や福祉の機器のセンターがあって、自分に合った器具を提供してもらえて、ボランティアで住んでもらって器具のテスターになったりする。」というお話をお聞きしていたので、北欧に行くなら絶対に行きたいと思っていました。

訪問した「FALCK」というのは、会社の名前で、自治体から委託されてセンターを運営していました。なんでも、昔、創業者のFALCKさんが火事を見かけて、もっと効率よくやったら火が消せるのに!と思って始めた会社で、消防・救急がメイン。資本提携を受けているのが、おもちゃのLEGOブロック、医療用品の会社。
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LEGOでできた消防士

先生から聞いていた器具の開発のためのテストをやっているところではなかったのですが、県から委託されて、器具を個人々に合うようにフィッティングさせたり、自宅まで運ぶ、回収する、また、改修された器具を管理するなどが業務です。

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デンマークの政治状況なども交えて、この地図の前にみんなで立って講義を受けました。日本で市町村合併をやったように、デンマークでも構造改革が行われ、自治体の数を減らして大きくリージョンに分けて所属させるようなことが行われたようです。FALCKでは、数か所の委託を受託しているそうです。

センター内を見学させていただきました。大きな倉庫に、さまざまな福祉用具が保管されていて、調整をするための機材もそろっていました。
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車いすなど、改修されてきたものは、ガソリンスタンドにある車の洗浄機のような設備があって、洗浄されます。
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基本的に福祉器具の貸し出しなどは、税金で賄われ、費用は発生しません。ベッドなども含めてです。さすがに高福祉の国ですね。

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