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家森先生

(川原田注;本が出ているということで本日買ってきました。詳しくは、皆さんこちらの本でお勉強くださいね)
○WHOに依頼して世界の食生活の実態を調査させてもらい、国際共同研究マップというのを作った。
○世界で長寿だったのは、豆腐を主食にしている中国の南の地域の人々、マサイ族(塩、味を一切つけない)、コーカサス地方の人々(ヨーグルトを食べる)
○オーストラリアのアボリジニが最も短命。肥満が大半で平均寿命52〜3才。しかし、8000年前からうなぎの養殖をしているアボリジニもおり、その人たちは80、90まで生きる。
○日本人もアボリジニもルーツは同じ種族で、遠くアフリカ大陸から氷の上を渡ってアジア、オーストラリアへ移動してきた。
○氷の上での生活が長く、塩などを蓄えようとする「倹約遺伝子」を持っている。
○24時間採尿調査(ユリチェック)と呼ばれる検査で、一日のうちどれくらいの栄養分(塩分など)をとっているかなどがわかるもので調査を行っている。
○胃がん、脳卒中は食塩の量と関連する。
○一日2g塩分を減らせば1年寿命が延びる。
○ナトリウムをカリウムが退治してくれるので、野菜や果物をとるのも良い。
○コレステロールと心筋梗塞死亡率の関連を見るとイギリスなどでコレステロールが高く死亡率も高いのに比べ、フランスはコレステロールが高くても死亡率は低い。食生活と関連する。
○「塩」と「油」の組み合わせが最も悪い。
○女性が男性より寿命が長いのは、女性ホルモンの影響。女性ホルモンが少ない男性には、減塩(3年)大豆とDHA(7年)での対応をお奨めする。
○DHA,大豆たんぱくは血液をさらさらにする。
○乳がんは、女性ホルモン、エストロゲンが強すぎて乳がん細胞のレセプターにエストロゲンが入ることによって起きる。
○イソフラボンはレセプターに先に入るため、エストロゲンが入れず、がん化を防ぐ。女性にも大豆を奨める。
○もうひとつの長寿地方での食品ヨーグルトは牛乳よりもおなかに優しくカルシウムを補充できる点でも優れている。
○WHOの奨める塩分摂取量は一日で6g。何も味付けしないマサイ族の食事でも一日2.5gの塩分を摂取することを考えると6−2.5=3.5gに抑えないといけなくなる。塩分の代わりにだしをよく取る、香辛料を使うなど工夫する。
○一日一膳として、ヘルシー強化弁当を作って食べても効果がある。塩分を減らして大豆やDHAをたくさん取り入れた弁当。

「日本人には日本食が一番よい。日本食を見直して、豆類、魚、野菜、くだもの、海草などをたくさん取り、ヨーグルトを食べることをお奨めする。一日の塩分を1gでも減らすように意識すれば心筋梗塞や脳梗塞になる確立が減る。」


福島先生のお話

○糖尿病患者は、2002年のデータでは、740万人。予備軍とされる人でも880万人に上る。
○糖尿病は、インシュリン治療などが必要になるほか、透析(腎臓)、失明、えそによる足の切断など、合併症のもたらす影響が大きい。医療費もかさむ。
○欧米では、予防プログラムが早くから取り入れられているが、日本では、まだ浸透していない。(ない)
○白人、アジア系など、人種別に見ると、欧米の人が「インシュリンが効きにくい」が多いのに対し、日本人は「インシュリンの分泌が悪い」タイプが多い。
○欧米では肥満を元に考えればよいが、日本人では、BMI(肥満度)が低くても糖尿病になる人が多い。
○家族と糖尿病の関連性で見ると、一卵性双生児(80%)二卵性双生児(50%)両親のどちらか一方(45%)の割合で、統計上糖尿病になる可能性がある。しかし、これを遺伝子との因果関係で証明するのは大変難しい。
○フランス人が肉やお酒をたくさん摂取する割りに脳梗塞や心筋梗塞が少ないのは、赤ワイン、オリーブオイルがいいといわれている。
○同じように、日本人は日本食がいい。
○空腹時と糖摂取後2時間後の血糖値の関係で、インシュリンの効きが悪い人、分泌が悪い人など、どちらも悪い人、良い人、予備軍など、パターンに分けることができる。
○さらに詳しく個々の特性を見るため、1時間に30回の採血をするという方法(川原田注;詳しい条件はわかりません)でインシュリンと血糖値の関係を調べることにより、個人のインシュリン特性を見ることができる。これによってインシュリン依存性の特性を見ることができ、これによって薬をその人に合ったものにできる。

最後のお言葉〜
「今は、糖尿病患者が増加の一途だが、これを食い止め、予防プログラムを普及させて患者を減らし、糖尿病の合併症を防いで、生活の質を上げられるように努めていきたい。」

MEDDEC開所記念シンポジウム

神戸医療機器開発センターMEDDEC「メデック」とは何ぞや?と思われる方のために、カタログの一部を掲載します。お医者さんがカテーテルの練習をしたりできるトレーニング施設や種々の実験ができるレンタルラボ(貸し実験室)を中心としています。先日開通したポートライナーの空港手前の駅に「ポートアイランド南」という駅がありますが、その駅から少し東南に歩いたところにあります。この駅は、降りたすぐのところに「花鳥園」ができているのですが、残念ながらオープンが延期されています。(楽しみにしている私としては早くオープンしてほしい!!)これから空港に行かれる方は、ポートライナーから花鳥園とMEDDECを見つけてくださいね。
シンポジウムでは、経済産業省より国の医療産業機器政策に関わるお話や、阪大の澤先生の再生医療の講演(心筋シートと呼ばれるすごいものが開発されようとしています)などが行われました。神戸の機械金属工業会の鶴井会長のお話の中で、カテーテルに小型超音波トランデューサと患部を切開できる機能を持たせた医療機器の開発の取り組みがあって、こんなこともやっているんだ!と興味深かったですね。

 

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