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神戸の水に関して

私の出身となります、三菱重工の組合機関紙に掲載予定の記事をここに紹介します。

◎神戸の水はどこからくるの?
神戸の水の3/4は、琵琶湖・淀川を水源とする阪神水道企業団から購入しており、残りを、自己水源(一部県営水道から購入)で賄っています。

◎神戸の水はおいしいんですよ!!
阪神水道の水は、数年前より全て高度浄水処理*を行った水となっていて、においが消え、「おいしい水」になっています。今までかび臭いと思って水道水は飲まなかった方も、だまされたと思って一度試してみてください。昨年、グリーンフェスタで1821名に参加をしてもらった、市販のミネラルウォータとの飲み比べ(どちらが水道水かわらなくして飲んでもらう)では、1194名(66%)の方が水道水の方がおいしいという結果が出ています。

◎水道料金は値上がりしないの?
阪神大震災は、当然ながら、水道施設に壊滅的な被害を与えました。これを受け、水道料金はH9年に一度値上げが行われています。その後、H13年に、阪神水道の受水費の値上げ(12%)が行われましたが、水道料金は据え置いています。これは阪神水道の値上げに対する対策として、水道事業基金*2から毎年21.6億円を水源基金として収入に繰り入れして対処しているためで、現在残高69億円の水源基金はH19年度末に残高0となり繰り入れができなくなります。また、阪神水道企業団も経営努力等により、H19年度までは受水費を据え置くとしておりますが、以降はわかりません。現在のところ、神戸の水道料金は、13の政令都市中10番目と、比較的安い設定となっており、H19年度までは維持する方針が出ています。

◎これからの水はどうなる?
ここ数年、節水や景気低迷、高齢化等の影響を受け、水道の給水量は減少し続けており、水道事業の財政は厳しい状況となっています。また、神戸の主要な水道施設は、昭和40年代に整備され、これらがH20年以降、老朽・更新の必要が出てきます。H20年以降に危機的な財政状況に陥ることが予測される中、神戸の水道は、大きな転換点を迎えています。(*3)この4年間に、公営企業としての「公」の責任(安全で良好な水をいつでも供給できる)を堅持しながら民間活力導入等を含めた事務事業の再構築・徹底した経営改善を行う目標が定められました。施設の更新の必要性は全国共通の課題であり、国も、6月に「水道ビジョン」を発表し、これまで培った高いレベルの日本の水道を今後につなげていくため、水道事業のありかたに関する方向性を打ち出しました。


*高度浄水処理:琵琶湖等で水温が上昇するに従って、植物性プランクトンが増殖し、においの元となる物質を作り出します。高度浄水処理は、オゾンで有機物質を分解後、活性炭によって、かび臭さやトリハロメタンの原因となる物質を除去することにより、おいしく安全な水を作ります。

*2 水道事業基金:水道設備の整備や受水費の値上げに対応するため、開発者からの負担金を積み立てているもので、H15年度末の残高は水源基金69億円を含め254億円。

*3 また、今年の三位一体改革の影響では、一般会計でも180億円の財政不足が発生しました。一般会計で拠出の阪神水道への出資金のうち不足分14.5億円を緊急に埋めるため、水道会計で立て替えるという異例の措置も取られています。)

 

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