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ノーリフト協会

昨日、オーストラリア大使館で行われた、セミナー「ノーリフトの活用で変わる医療や介護の世界」を聴講してきました。
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冒頭にあいさつされるオーストラリア大使館 貿易ご担当者

なぜオーストラリア大使館??という疑問を持たれると思いますが、看護や介護の従事者が腰痛によって悩まされるという課題にオーストラリアでは15年以上も前から取組み、98年には法整備が行われました。即ち、看護・介護の現場で、人を移動させたりする必要のある時に、器具などを使い、人の手によるリフティング(持ち上げ)を禁止するというものです。日本のノーリフト協会は、オーストラリアに看護師として留学・研修を受けられた安田さんが、帰国後、これは日本でも広めないと!と社団法人として立ち上げられたもので、研修や広報など、今日までさまざまな活動を展開されてきています。

今回は、オーストラリア大使館のご協力によって会場をお借りし、セミナーの形式で、いろいろと関係する方々から発表も行われました。

1.保田さんより報告
「日本の看護・介護職6000人に及ぶ腰痛関連調査報告」
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・1万人に調査票を送って6045人より回答を得た。
・ノーリフトの取り組みは、ケアを受ける側にもメリットがある。
・寝たきりというのは、「寝かせきり」であるということ。
・ポジショニングが悪いと筋緊張が解けない。

2.産業技術総合研究所 西田佳史氏
「日本の老人介護施設でのひやりハット調査報告とロボット技術の活用」
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・こどもの事故に着目し、事故の例を集めて分析をし、メーカーに報告することで、より安全な子供用の玩具や製品が出るようになった。
・同じ発想で、高齢者の生活の周りのヒヤリハット事例を収集し、どこで起きたか、どういう状況か、などのデータを集めて分析し、見える化することによってメーカーや関連施設などに提供、製品開発や改修、また、運用の改善などに使ってもらえればと思っている。

3.滋賀医科大学 垰田和史准教授
「日本における腰痛予防対策指針」

・自動車産業では、労災の腰痛は過去のものとなった。
・労災のデータをみると、看護師の4日以上の腰痛が少ないのは、「労災の申請をする」という風潮や文化が無いのではないかと考えている。腰痛は、自身の技術が未熟ではという教育や風土。
・労基法64条や女性労働基準規則2条には、重いものを持ち上げる規定がある。
・平成6年、「職場における腰痛予防対策指針」が策定されたが、看護師・介護士は含まれていなかった。
・今回(2013年6月?)、対策指針が改定され、介護士・看護師・保育士・教員なども対象となる。
・原則として、「人力による人の抱え上げは行わない」ノーリフティング スタンディングマシーンやsライディングボードを使用するよう定められる。
・H25〜H29 第2次労働災害防止計画が定められ、行動に移される。

4.兵庫県立リハビリテーション中央病院 中村春基 先生
「神戸市の福祉用具使用に関連した調査報告」

・H23年度「骨そしょうしょうによる骨折のリハビリテーションにおける福祉用具の適正な利用に関する調査」というものを国から委託して行った。
・高齢者が骨折をすると、骨折−>病院−>施設 となり、施設には、医療の専門家がいないことが多く、十分なリハビリテーションや歩行訓練が行われないことが多い。
・「ヒッププロテクター」と呼ばれる福祉用具も、ほとんど使われておらず、そういった背景からの調査であった。
・H24年度からは、福祉用具の適正利用のためのガイドラインつくりに取り組んだ。神戸市の医療関係者、リハビリテーション関係者など、医師会を含めたメンバーで構成される。
・H25年度は、国の事業は終わったが、神戸市が単独の予算を出してくれたので続けることができた。
・杖、歩行器、車いすなど、正しく使える人が少ない課題。
・40時間の講習を受けると専門家になる。
・急性期の病院では、新しい用具が購入できておらず、数が不足している。
・用具のメンテナンスができていない。
・など、課題が浮かび上がる。
・策定したガイドラインを西区の関連施設で年末に試行してみる。
・得られた結果を基に今後展開していく。

5.厚労省 老健局振興課 宮永 敬市氏
「厚労省での取り組みについて」
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・団塊世代が介護保険を使い始める2025年がキーとなる。
・今後、介護保険制度を維持し、高齢者ケアを確保するためには、
 ①元気な高齢者を増やす
 ②介護職の離職を減らす
ことが必要となる。
・介護者の負担を減らす福祉用具の開発を促進する。
・例えば介護者の負担を大幅に軽減できる「自動排泄処理装置」は、800台しか出ていない。
・介護ロボットの開発と、普及などに取り組んでいきたい。


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出演された皆さんで会場と質疑応答を実施

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保田さんが最後に、「今後取り組んでいきたいこと」について説明されtました。

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