« 東南アジア視察(カンボジア・プノンペン) | 活動報告トップへ | 東南アジア視察(カンボジア・プノンペン)その3 »

東南アジア視察(カンボジア・プノンペン)その2

プノンペンでは、大歓迎に驚いた後に、経済特区の中に進出している長田区の靴メーカー、ラガーコーポレーションのカンボジアの子会社「Tiger Wing Co.LTD」タイガーウイングさんの工場を訪問し、お話を伺いました。案内していただいのは、現地の工場長の春日取締役さんです。
 ラガーコーポレーションは、長田区大橋にある靴製造メーカーで、最初の海外進出は中国山東省、カンボジアに工場を出したのが2008年7月で、4年あまりになる。
 婦人用のカジュアルの皮靴を製造していて、年間生産は25万足。日本の百貨店向けが主流で、今月から量販店向けにも出している。日本の市場は小さくなっており、今後ヨーロッパに向けて販売をしようと現在交渉中。ブラジルや中国では靴の製造の中心になっているが、賃上げや不安定さからヨーロッパのメーカーは原産地率を75%から50%くらいに落としてカンボジアやベトナムに移転しようという動き。引き合いはヨーロッパからきている。
 すべてのTigerWing製品は日本の本社に販売する。靴のデザインは、OEM100%となっており、取引先が指定し、パターン化を行う。日本人は社長、春日氏含め6名、平均年齢46歳。中国人スタッフ12名は、サンプルづくりや中国とのやりとり、倉庫管理などを担当している。ベトナム人も1名いる。工場の作業員は708名(間接要員34名)で、4段階に分かれている。一般ワーカー(黄色の作業服)班長(緑色)副組長(赤)組長(青)。中国の工場からは製品化するまではしていないものもあり、神戸で組み立てたりするが、カンボジアからは100%製品化して出荷する。これまでは神戸港を使用していたが、取引先が東京のため東京を使うようになった。ブランドは、「VIS」「ings」(有名です。川原田注)などで伊勢丹や大丸に出している。
 カンボジアの治安は比較的よいが、完成品は厳しく管理している。生産性は中国の70%くらいか。製造業の最低賃金は61$。61$に手当10$(何か)+健康保険5$+住居7$が必要。二つの労働組合がある。政府系の労働組合はG−MAC(Government Manufacturing Association of Cambojia)それにカウンターパートのものが6つくらいある。出資地別の組合に。
 ポルポト時代に知識層が虐殺されてしまって、教える人の数が足りないことが今も影響している。平均学歴は小5くらい。
 工場の時間は、7:00〜16:00 11:30〜12:30が昼休み 残業は1日4Hまで16:00〜20:00 17:00〜17:20の休憩時間を設けている。
 工場は、第3期くらいから順調になった。3か月の試用期間中の徒食率が10%、それを過ぎると3%に減少。近隣からが6割で、4割くらいは地方からもきている。
 経済特区で4か月に一度会議がある。交流会などもある。
 カンボジア国内の台湾系企業に外注していた経緯があり、カンボジアに進出することになった。
 経済特区で発電所もっている。カンボジアの電気代は高く、1kwh0.23$(ラオスでは0.05$)
 原材料(革)はタイから陸路で入れ、部品等は中国から航路で入れている。
 人件費は、ラオス・ミャンマーに比べて安い。
 法人税は、特区に限らず、国で減免の制度。
 工場内で通関手続きができ、特区内に労働局も併設されている。


TigerWingさん工場オフィスの前で


Tiger Wingさん工場見学

月別アーカイブ