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東南アジア視察(バンコクその2)

山下ワークスさんの工場訪問の後、交通渋滞の中、バンコク中心地に戻り、JETROバンコク事務所でタイ進出企業やタイの状況についてお話を伺いました。

〇洪水はあったけれども、バンコクには被害がなく、現在、V字回復してきている。
〇企業の状況はというと、東南アジアの国をいろいろとみてきたけれども、最終的にバンコクに戻ってきたというところで、最近は中小企業の進出も多い。
〇日系企業は7000くらい。自動車部品だけでも2000ある。日系間の取引も多い。
〇そのため、特徴を持っていないと、競争に勝てない。何か、強みがいる。
〇人手不足が最大の問題になっている。親日の国であるが、競争はあるので、リスクはある。
〇最近、サービス業が進出してきている。小売りやレストランなど。日本食はタイでブームになっている。
〇労働者の年収(?)は5400ドル。バンコクでは1万ドルを超える。
〇若者が地方からバンコクに出てきて働く。
〇タイの企業とビジネスマッチングを行っていく方法も。
〇地域の中核の国ではカンボジアやミャンマーなども考えられる。
〇リスクがあるということも考慮してもらいたい。バンコクよりカンボジア・ラオス・フィリピンが向く場合もある。
〇もし進出するのであれば、日本の本社が体力のあるうちに来たほうがよいと思う。チャンスもあるが、リスクもあるため。
〇日本にとってタイ・バンコクは、(洪水の際の部品供給の問題など)すでに経済の中に組み込まれているという面もある。
〇数年前に進出した会社は、法人税の減免の制度の中で投資を回収し、内部留保を増やしてきている。しかし、今後の企業はどうか、考える必要がある。
〇タイの少子高齢化は中国と同じで長い目で見ると問題化してくる。
〇マレーシア・インドネシアは、タイから20年くらい遅れがある。
〇タイのひとりあたりのGDPは5400ドル(今年は5800〜5900の見込み)
〇マレーシアは1万ドルを超える。①シンガポール②ブルネイ③マレーシア④タイの順
〇インドネシアは3500ドル超え。
〇タイではテレなどビは普及しているが、カメラ・PC・車の普及率は低い。
〇人口6593万人。2030年がピークとなるだろうといわれる。
〇タイから独立を主張しているイスラム教の団体もある。
〇プミポン国王は人望があり、人々の心の支え。
〇バンコクではサービス業が8割で2割が製造業。製造業は東の地域が中心。
〇輸出に依存した経済構造で、GDPの70%。
〇タイ政府としては、消費を促す、最低賃金を上げるなどの政策をとっている。
〇東日本の震災の影響を受けて、部品が入らず生産を落としたが、2012年はいい状況。しかし、輸出が減少してきている。中国・日本・マレーシア・ベトナム・欧州で減少。
〇消費は伸びており、タイ経済は安定している。
〇ここ数年は失業率が1%以下と雇用情勢はよい。
〇中小企業でも高額の報酬のところも。
〇2011年の総選挙の公約が最低賃金の引き上げだった。2013年の1月から全国一律300ドルになる。
〇日系企業はまた増えてきており、日系企業向けのサービスも増えてきている。
〇経済政策は政権が変わっても引き継がれる。
〇日系が多くて、日系同士での取引きが多い。
〇環境、学校・医療整備やメコン地域の道路整備が進められている。
〇ミャンマーの成長をタイで支援して取り込んでいく。
〇リスクとしては、①日系同士の競争の激化②人手不足③人件費の高騰④少子高齢化⑤洪水などがあげられる。
〇洪水に関しては、ダム・貯水池の整備や放水路の整備。JICAも協力して進められている。

Q1>タイの教育制度は?人手不足?
A1>日本と同じ、6・3・3制。まず、国民性として、あまりあくせく働かなくてもという雰囲気。女性の方が真面目に働く。お店の前でプラプラしているようにみえても、実はバイクタクシーとかの場合も多い。
Q2>学校は?
A2>お金のない人は行っていないこともある。
Q3>日本の企業の進出はさらに膨らんでいく?
A3>製造業は今後も増えるだろう。トヨタさんが先日も宣言されたこともある。
Q4>日本の国内の関連企業は仕事がなくなっていく?
A4>生き残るために海外に出ることに。
Q5>サービス産業は?
A5>増えている。日本のチェーン店も。
Q6>ファッションは?
A6>ユニクロ、コナカなど。タイは暑いけど、フリースも売れている。外資規制により合弁会社の必要性がある。タイが51%以上でないといけない。アパレルはこれからだろう。ZARAとか。
Q7>タイの商習慣・商文化はどうか。
A7>独特のものは特にない。サービス産業はパートナーが必要になる。パートナーともめることはある。税務調査で文句をつけられることはある。たとえば関税をとられるなど。しかし、周辺国と比べると、under-table(袖の下)もまだましな方ではないか。
Q8>数年前に政治デモ盛んだったが、政治的なリスクは?それによる投資への影響は?
A8>このビル(JETROの事務所のある)にも銃弾が撃ち込まれた。火種はあるが、今の政権側、インラック首相は穏便にしたいと思っている。大きな混乱は起こらないだろう。政治と経済は分かれており、政治が投資に影響するまでに至っていない。今の政権は農民が支持基盤。人件費が上がっており、労働集約型からサービス産業へとBOIも転換しようとしている。移行していけば投資は増えるだろう。介護ビジネスなど。

私のカメラにあるのは、空港で撮った写真のみです。すみません。
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