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分子イメージングのシンポジウム

昨日、分子イメージングの研究シンポジウムを一部聴講してきました。矢田市長を始め、行政・プロジェクト関係の先生方のご挨拶がありましたが、主催者挨拶として、ノーベル賞を受賞された野依先生のお話がありましたので、少しご紹介します。

野依先生のお話から〜
なぜ、今、分子イメージングか?少子高齢化がが進む中、国の医療費は30兆円に及び、2025年には倍増するとも予測されている。このうち、20%は医薬品費。医薬品の開発には10〜15年かかり、また、開発された薬品の有効性や副作用のきつさなども考慮すると開発の効率は悪く、無駄が多い。アメリカでもこうして9兆円は無駄になっているといわれ、日本ではその半分くらいだろう。現在の開発技術では、科学的な証拠によらない点も多い。現在では、人ゲノムやたんぱくなど、「分子」単位で理解されつつあり、遺伝子のほんの少しの違いで、(薬の効き目等が)左右されることがわかってきた。これからは、オーダーメイドの医療の時代であり、その「挙動」を画像としてとらえる技術がPETを中心とした分子イメージングである。推論より科学的であり、候補物質をいち早く見つけることが可能になってくる。
分子イメージングの技術を用いることで、薬品開発のコストを低下し、創薬の早期発見につながる。分子イメージングの研究は単なる数年間のプロジェクトに終わらせてはいけない。人材の育成が重要であり、「化学者」の参画が大変重要であるが、分子イメージングに興味を示す化学者があまりに少ないことを憂慮する。トランスレーショナルリサーチには、法整備も重要である。井村先生の先端医療振興財団、理研の発生再生総合研究センターとの連携も重要である。

とにかく、難しい分野なので、これから何がも問題で何が必要かを考えるだけでも理解するのが大変です。会場で配布されたパンフレットの一部も紹介しておきます。


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