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下水処理について(その3 下水汚泥から天然ガス抽出)

これは、最近の神戸新聞の1面記事で報道された内容を少しご紹介します。(神戸新聞Web News http://www.kobe-np.co.jp/ 11月30日の記事をご参照)下水処理の一般的な仕組みの図に、下水処理のあとにできた汚泥を消化タンクにつなげていますが、この消化タンク内では、微生物による発酵が行われ、この結果、発生したガスを消化ガスとして取り出し、再利用されています。今回、東灘処理場での実験では、この消化ガスからバイオ天然ガスを取り出すことに成功したというもの。今後このガスを使って天然ガス車の燃料として使用し、排ガス成分や走行性能などを調査するということです。見通しでは、ここの処理場から生成される燃料は、走行1万km/年の車2000台分に相当するということで、非常に期待が持てるものです。廃棄物処理というと焼却場ばかりが取り上げられてきていますが、下水処理も大きくその一環を担っています。窒素やりんは、家庭の炊事でリサイクルやごみを出さないようにいくらがんばっても、トイレの排水の影響が大きく、限界があります。循環型社会に向けて個人個人が意識していくことは重要ですが、ここまで都市化している社会の中では、社会全体で検討していく必要があります。20世紀、大量生産が必要とされ、そのためにも産業が発展しましたが、今世紀の必要の重要なひとつとして、まず、循環型社会、環境を維持することがあげられます。新しい必要に応じた新しい技術のひとつとして、今後の動向に注目したいですね。

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